カードローンの審査ではさまざまな項目から「十分な支払い能力(返済能力)があるか?」が判断されます。
支払い能力と聞くと単純に年収が多い人が高評価になりそうですが、実は、年収だけではなく、他社借入状況も非常に重要になります。
たとえ1社目の借り入れは問題なく審査に通ったとしても、2社目以降は他社借入がある状態での審査なので、同じように融資が受けられるとは限りません。
特に借入件数が3件を超えている場合、1社目や2社目と同じように審査に通るのは難しいケースが多いでしょう。
この記事では「他社借入の件数別にどのカードローンに申し込むのが良いのか?」を解説していきます。
また、他社借入がカードローン審査に与える影響や他社借入があっても審査に通るコツ、借入件数・金額をごまかせない理由についてもまとめました。
他社借入があってカードローンの審査に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
これから2社目以降に申し込みをしようと考えている方は審査通過率が高いところに申し込むのがポイントじゃ!すでに2社目3社目に申し込んで審査に落ちてしまった原因が他社借入にあったのではと考えている方は、ぜひ参考にしながら新しい申し込み先を検討してくれ。
審査通過率が良好なカードローン
ファイナンシャルプランナー新井智美氏のコメント
利用者の年収の3分の1を超える金額を貸し付けることを禁止している「総量規制」については、従来では消費者金融カードローンに適用され、銀行系のカードローンでは適用対象外となっていました。しかし、最近では銀行系のカードローン会社も独自の審査基準を設け、年収の3分の1を超える貸し付けは行わなくなってきています。そういった意味でも、他社からの借入の有無は審査に大きな影響を与えると考えておきましょう。
目次
信用情報から分かる他社借入件数の割合
ローンやクレジットカードの契約・利用状況は金融機関が加盟する信用情報機関に共有されています。その信用情報機関が公開している統計データを確認すれば、借入件数ごとの登録状況も分かります。
株式会社日本信用情報機構(JICC)および株式会社シー・アイ・シー(CIC)の統計データから「残高がある者の借り入れ件数毎の登録状況」を表にまとめました。
残高がある者の借り入れ件数毎の登録状況
件数 | JICC | CIC |
---|---|---|
1件 | 689.1万人 (63.91%) |
719万件 (41.44%) |
2件 | 241.8万人 (22.42%) |
478万件 (27.55%) |
3件 | 96.6万人 (8.96%) |
294万件 (16.95%) |
4件 | 35.9万人 (3.33%) |
151万件 (8.70%) |
5件以上 | 14.7万人 (1.36%) |
93万件 (5.36%) |
※ 参考:JICC 信用情報に関する統計(2024年6月末現在)、CIC 貸金統計データ(2024年07月20日時点)
※ ( )内は登録件数の合計に占める割合です。
この点はどちらの信用情報機関にもいえることですが、借入件数が増えると、登録件数は減少していきます。
借入件数3件以内で全体の8~9割を占めており、「4件」や「5件以上」になるとその割合は非常に小さくなります。
4件以上の借り入れが登録されている人もいるものの、全体としては少数です。借入件数が増えるにつれて、「どこから借りるのか?」がより重要になるでしょう。
他社借入があっても借りられる?件数別の借入先の選び方
前述のとおり、複数社からお金を借りている人は少なくありません。
「借入件数が1件のみ」という人の割合がもっとも大きいですが、信用情報に2件以上の登録がある人もいます。
ただし、借入件数が増えれば、徐々に新規で融資を受けづらくなっていくでしょう。
例えば、3件、4件と他社借入がある状態で、審査が厳しいといわれる銀行カードローンを契約するのは難しいです。
現在の他社借入の件数ごとに候補となる借入先をまとめました。
【他社借入の件数別】候補になる借入先
他社借入の件数 | 候補になる借入先 |
---|---|
1件 | 大手消費者金融 / 銀行カードローン |
2件 | 大手消費者金融 / 銀行カードローン |
3件 | 大手消費者金融 / 中小消費者金融 |
4件以上 | 中小消費者金融 / おまとめローン |
他社借入が1~2件の場合
他社借入の件数が1~2件の場合、カードローン審査への影響はそこまで大きくありません。
ただし、借入残高の分だけ、返済能力は低く評価されるため、以下のようなケースに該当するなら審査に通りづらいです。
他社借入が少なくても審査に通りづらいケース
- 他社借入+借入希望金額が年収の3分の1に近い
- 非正規雇用である(パート・アルバイト、派遣社員など)
- 自営業者である
そのため、大手消費者金融のカードローンをメインに考えて、借り換えであれば銀行カードローンも候補に入れると良いでしょう。
「審査が不安」「急いでいる」という人におすすめの大手消費者金融
大手消費者金融のカードローンであればパート・アルバイトで働く人も申し込めますし、最短即日融資(※1)を受けることも可能です。
詳しくは後述しますが、各社のホームページでは「借入診断」を受けられます。「現在の借入状況でも審査通過の見込みがあるのか?」を確認してから実際の申し込みに進むようにしましょう。
そのほかにも「無利息期間のある商品が多い」「最低1万円から契約できる」「原則、勤務先への電話連絡なし」(※2)などが大手消費者金融を選ぶメリットになります。
※1 申し込みの時間帯などによっては翌営業日の連絡になります。
※2 審査結果などによっては、電話連絡で勤務先を確認するケースもあります。
借り換えに利用するなら銀行カードローンがおすすめ
「消費者金融に比べて銀行は審査が厳しい」といわれており、借入件数が増えると非常に審査に通りづらくなります。
しかし、1~2件なら借入状況次第では審査に通る可能性があります。そのため、より低金利なカードローンでの借り換えを検討している場合は、借入件数が増える前に審査を受けるようにしましょう。
カードローンの金利は審査によって決定されるものの、多くの消費者金融カードローンの上限金利は年18.0%程度で、銀行と比べて高めの金利です。
ほとんどの銀行カードローンの上限金利は年15.0%以下なので、借り換えによって利息負担の軽減が見込めます。
銀行カードローンの契約には保証会社の審査もあって、消費者金融よりも審査が厳しいのじゃ。他社借入の金額・件数次第では審査に落ちてしまうじゃろう。基本的には収入・雇用が安定している正社員や公務員向けの選択肢だと考えてくれ。
他社借入が3件の場合
他社借入が3件の場合、審査の厳しい銀行カードローンは避けた方が良いです。借入先の候補は大手消費者金融もしくは中小消費者金融になるでしょう。
基本的に中小よりも大手の方がサービスの利便性は高いです。まずは大手消費者金融のカードローンに申し込んで、審査に通らなかったら中小も検討することをおすすめします。
他社借入が4件以上の場合
他社借入が4件以上の場合、大手消費者金融のカードローン審査に通過するのは難しくなります。そのため、生活費などを借りるなら中小消費者金融、他社への返済に困っているならおまとめローンを検討してください。
大手の次に検討したい中小消費者金融
中小消費者金融は大手消費者金融を利用できなかった人の受け皿としての役割も担っています。
大手消費者金融に比べるとサービスの利便性はどうしても落ちますが、中には大手とあまり変わらないようなサービスを提供しているところもあります。
業者によっては「上限金利が大手よりも高い」「土日は営業していない」「Web完結で契約できない」「勤務先への電話連絡を避けられない」などのデメリットもあるため、サービスの内容をよく比較したうえで申し込みましょう。
「来店不要で契約できるか?」「最短即日融資を受けられるのは何時までか?」などの中消費者金融選びのポイントを押さえておくことが重要です。
返済に専念するならおまとめローン
他社借入が4件、5件とある場合、新しくカードローンを契約するのは非常に難しいです。中小消費者金融の審査も甘くないので、新規で融資を受けられないケースも多いでしょう。
そのようなケースでは、「通常のカードローン」ではなく「おまとめローン」の利用を検討してください。
おまとめローンは貸金業法という法律に基づく返済専用ローンで、借入残高を計画的に減らしていき、完済を目指すための商品です。
おまとめローンで期待できるメリット
- 借入先が一本化されて、返済管理が楽になる
- 月々の返済額を減少させられる
- 適用される金利を下げられる
- 年収の1/3超の借り換えも行える(要審査)
おまとめ後は、追加借入できず返済専用になるため、借入残高を増やしてしまう危険性はなく、返済に専念することができます。
また、おまとめローンはすでに借り入れがあることを前提とした商品なので、通常のカードローンよりも他社借入に対しては寛容です。
ただし、おまとめローンの契約にも審査があり、返済能力が足りないと判断されれば審査には落ちてしまいます。おまとめローンの審査でも信用情報の登録内容は確認されるため、借入先への返済が滞っているケースも審査に通りません。
「他社借入が多くて、徐々に返済が厳しくなってきている……」という人は、早めにおまとめローンの利用を検討してください。
おまとめローンとはどんな仕組み?メリット・デメリットとオススメのおまとめローンを紹介
他社借入があっても審査に通る可能性があるかは「借入診断」で確認
大手消費者金融カードローンなどは公式ホームページ上で「借入診断」を受けられます。
カードローン会社によって借入診断で入力する項目は異なりますが、年収や他社借入金額などから「審査に通る見込みはあるか?」の簡易的な診断が可能です。
もし他社借入があってカードローン審査に通るか不安なら、借入診断を受けてみてください。あくまでも簡易的な診断にはなるものの、申し込みをするうえでの判断材料になるでしょう。
「融資可能と思われます。」などの診断結果を見てから実際の申し込みに進めば、「見込みがないのに申し込みをして審査に落ちる」という危険性は低くなります。
ただし、実際の審査ではより多くの項目がチェックされることになります。
例えば、「信用情報に問題がある」「診断で入力した年収や借入金額に誤りがある」などの場合、実際の審査では否決されるかもしれません。
借入診断の結果に問題がなくても、審査に落ちるケースがあることは覚えておいてください。
他社借入がカードローン審査に与える影響
はじめてお金を借りる人に比べて、他社借入がある人はカードローンの審査に通りづらくなります。
実際の審査結果は申し込んでみなければ分かりませんが、他社借入はカードローン審査に以下のような影響を与えます。
他社借入がカードローン審査に与える影響
- 他社借入金額が多いと総量規制に抵触しやすい
- 他社借入の分だけ返済能力が低く評価される
- 借入件数が多いと多重債務を疑われやすい
他社借入のローン審査への影響は、「法律に関する部分」と「それ以外」に分けられます。
後述する総量規制は貸金業法という法律によって規定されています。そのため、総量規制に抵触する場合、審査には通りません。
一方、法律以外の部分については、金融機関(カードローン会社)の判断次第になるため審査に通る可能性があります。
他社借入金額が多いと総量規制に抵触しやすい
消費者金融やクレジットカード会社、信販会社などの貸金業者が行う融資には、貸金業法という法律が適用されます。
貸金業法には総量規制というルールがあり、貸金業者が貸し付けできる金額には法的な上限が設けられています。
総量規制下においては、原則として年収の1/3超の借り入れを行えません。
総量規制は貸金業者による利用者の支払い能力を超えた貸し付けを防止するのが目的です。消費者にとってデメリットというわけではなく、過剰融資によって多重債務や自己破産に陥るのを防いでいるのです。
総量規制では1社との取り引きだけではなく、他社借入も含めて年収の3分の1までにしなくてはいけません。すでに他の貸金業者から借り入れがある場合、新しく申し込んだカードローンで借りられる上限は低くなります。
例えば、年収300万円の人が他社借入なしの状態で消費者金融からお金を借りるケースでは100万円が総量規制による限度額です。
その一方で、他社借入が30万円なら、新規借入の限度額はどんなに高くても70万円までとなります。
他社借入の分だけ返済能力が低く評価される
他社借入が年収の3分の1に達していなくても、借入残高が大きい場合には新規申込時の評価が低くなります。
他社借入は返済能力を判断するための重要な指標のひとつです。年収がそこそこあっても他社借入件数や借入金額が多ければ、その分、返済能力は低く評価されてしまいます。
返済能力を考えるときは、1ヶ月あたり自由にできるお金がどのくらいあるかが大切です。
例えば、「一人暮らししていて家賃を支払っている」「扶養している家族(配偶者・子ども・両親など)がいる」という場合、給与の手取り全額を好きに使うことはできません。
同じように他社借入がある場合も、月々の返済のために一定金額を残しておく必要があります。趣味や娯楽に使うお金であれば今月は我慢するということも可能です。
しかし、他社への返済に関してはそうはいかないので、他社借入は返済能力に大きく影響するのです。
借入件数が多いと多重債務を疑われやすい
基本的には他社借入は件数よりも、金額が重要になります。他社借入が1件だけでも、高額であれば審査に通りづらいですし、3件あってもすべて少額なら審査通過の可能性は十分にあります。
ただし、借入件数が4件以上になると、多重債務を疑われるケースも増えるので注意してください。
4件以上の他社借入があるなら当然借入総額は高額になりやすく、延滞が発生する危険性も高まります。お金を貸す金融機関からすれば、新規融資を避けたい属性になるでしょう。
実際の審査では総合的に返済能力の有無が判断されることになるものの、他社借入の多さはそれだけでカードローン審査を不利にすると考えてください。
カードローン審査における他社借入と総量規制の関係
繰り返しになりますが、消費者金融などは総量規制の対象になります。そのため、原則として年収の1/3を超える融資は行えません。
消費者金融のカードローンやクレジットカードキャッシングの利用がある場合、「それらの借入残高も含めて年収の1/3まで」です。
例えば、年収300万円の方が借りられるのは最大100万円ですが、70万円の他社借入があるなら新規融資は30万円までに制限されます。
他社借入と総量規制の関係(年収300万円の場合)
ケース | 他社借入残高の合計 | 新規契約できる限度額 |
---|---|---|
① | 0万円 | 100万円 |
② | 30万円 | 70万円 |
③ | 60万円 | 40万円 |
④ | 100万円 | 0万円 |
総量規制は法律上の制限であり、実際の限度額は審査によって決まるため、年収の3分の1ギリギリまで借り入れできるケースは稀です。
また、ケース④のようにすでに年収の3分の1まで借りている場合(総量規制の上限に達している場合)、一部の例外を除いて新規の借り入れはできません。
まずは他社借入の残高を調べて、自身の年収と照らし合わせ、あといくら借り入れできる見込みがあるのかを計算してください。
借金・ローンのすべてが他社借入になるわけではないので、次に総量規制の対象になるもの・ならないものを確認していきましょう。
総量規制の対象になる借り入れ
総量規制は貸金業法で規定されている貸金業者の貸し付けに関するルールなので、「貸金業者に含まれないもの」「貸し付けには該当しないもの」は対象になりません。
総量規制の対象となり、他社借入に含まれるものは次のような貸し付けです。
- 消費者金融のカードローン
- 中小消費者金融からの借り入れ
- 信販会社のカードローン
- スマホ決済サービスのカードレスローン
- クレジットカードのキャッシング枠
ポイントは消費者金融や信販会社のカードローンだけでなく、「クレジットカードのキャッシング枠による借り入れも総量規制の対象になる」ということです。
クレジットカードのキャッシングも利用している方は、それらも含めた上で他社借入の合計を計算しましょう。
総量規制の対象にならない借り入れ
一方、次のようなものは総量規制の対象にはなりません。
- 貸金業者以外(銀行など)のカードローン
- 信販会社を通した分割払い(ショッピング・クレジット)
- クレジットカードのショッピング枠
上記は「貸金業者ではないこと」もしくは「貸し付けではないこと」を理由に総量規制の対象に含まれません。
また、貸金業者の行う貸し付けであっても総量規制には含まれない除外貸付け、例外貸付けというものもあります。
総量規制の除外・例外貸付け
除外貸付け 総量規制にはなじまない種類の貸し付けで、借入残高には含まない。 |
・住宅ローン ・自動車ローン ・高額医療費の貸し付け ・有価証券を担保とした貸し付け ・不動産担保型のローン など |
---|---|
例外貸付け 貸し付けによる利用者への利益が大きいと認められるもので、借入残高には含まれる。 |
・貸金業法が定めるおまとめローン ・緊急性の高い医療費のための貸し付け ・配偶者の年収との合計3分の1以下の貸し付け ・個人事業主への事業性資金の貸し付け ・銀行からの融資を受けるまでのつなぎ資金の貸し付け など |
除外貸付けに該当する住宅ローンや自動車ローンは、総量規制における「年収の1/3まで」に含まれんぞ。その一方で、貸金業法に基づくおまとめローンなどで年収の1/3超を借りた場合、借入残高が年収の1/3を下回るまでは基本的に貸金業者から新規融資を受けることはできないのじゃ。
他社借入ありでもカードローンの審査に通るコツ
カードローンの審査では他社借入状況も確認されます。そのため、他社での利用残高が審査結果に影響するケースもありますが、他社借入があると新規融資を受けられないということではありません。
カードローンの審査において重要なのは返済能力です。「新規融資を行っても、返済能力を超えない」と金融機関が判断すれば、審査には通過できます。
ここからは他社借入がある状態でもカードローンの審査に通すコツを説明していきます。
申し込みをしようと思っている方、一度審査で否決されてしまった方は、実践できる方法がないかを確認してみてください。
他社借入ありでもカードローンの審査に通るコツ
- 既存の借入先の残高・件数を減らす
- 延滞中の借入先があるときは審査を受けない
- 「現在の年収を証明する書類」を用意しておく
- 一度に複数のカードローンに申し込まない
- 希望する契約限度額を下げる
既存の借入先の残高・件数を減らす
他社借入は少なからずカードローンの審査に影響するため、可能なら残高・件数を減らしておきましょう。
事前に他社借入の残高・件数を減らしておくことで、新たに受けるカードローンの審査を有利に進められます。
もし借入残高が少ないローンなどがあれば、優先的に完済して、借入件数を減らすと良いです。
既存の借入先を完済・解約する際のポイントは以下の3つです。
- 借入残高が少ないものを完済する
- 金利が高いものの返済を優先する
- 利用していないキャッシング枠を解約する
1. 借入残高が少ないものを完済する
例えば、借入残高が30万円と10万円のローンがあるなら、10万円の方が完済しやすいです。10万円の方を完済して解約すれば、借入残高だけでなく、借入件数も減らせます。
他社借入の件数が多いと返済日を管理するだけでも大変なので、借入残高が少ないものは早めに完済してしまうと良いでしょう。
他社借入の状況を整理したうえで、次のカードローンへの申し込みを検討するようにしてください。
2. 金利が高いものの返済を優先する
借入先によって適用されている金利(実質年率)が異なるときは、より金利が高いものの返済を優先しましょう。カードローンの金利は日割りで計算されるので、利息は1日単位で加算されていきます。
金利が高いものの返済を優先する方が、利息の負担を軽減できます。また、完済後に解約するなら、低金利なローンの契約を残しておいた方が得です。
借入先ごとに残高や金利をまとめて、どの商品を完済・解約すべきかをしっかりと検討しましょう。
3. 利用していないキャッシング枠を解約する
過去に利用していたものの、現在は借入残高が0円のカードローンがある場合には、新規申込の前に解約しておくことをおすすめします。
カードローンは限度額までなら自由に借り入れができます。そのため、借入残高が0円でも、契約が残っているなら別のローン審査の結果に影響する可能性があります。
これはクレジットカードのキャッシング枠でも同様の扱いになります。利用限度額の全額を借りているほどの影響はないにしても、契約後に他社での借入残高が増えてしまうリスクがあるため、審査ではマイナス材料です。
利用予定がないカードローンは解約して、クレジットカードのキャッシング枠は限度額を0円に変更した方が良いでしょう。
ちなみに、借入残高が0円のカードローン、クレジットカードは新規申込時に他社借入として申告する必要はありません。
カードローン会社は信用情報機関へ契約状況の照会をするため、正確な他社借入件数、金額を把握できます。
それでも不安という方は、「件数だけ入力して金額は0円で計算する」または「オペレーターに他社借入として申告の必要があるかを聞いてみる」とより正確でしょう。
延滞中の借入先があるときは審査を受けない
借入件数が多くなれば、「うっかり返済日を過ぎてしまった」というケースも発生しやすくなるでしょう。
何社からも借りていれば月々の返済額が高額になるだけでなく、返済日の管理も面倒になります。もし延滞中の借り入れがあるなら、今すぐの申し込みは控えた方が良いでしょう。
カードローンの利用履歴は各金融機関から信用情報機関へと共有されるので、もし1社でも延滞があれば、新しく申し込んだ借入先の審査にも影響します。
延滞している期間が2ヶ月~3ヶ月以上になった場合、信用情報には異動情報、事故情報として延滞が登録され、延滞を解消しても5年間はその記録が残るのです。
他の会社での返済トラブルもしっかりと把握されていますし、延滞を解消すればすぐに影響がなくなるわけでもありません。
他社借入の中に返済トラブルのあった金融機関が含まれているなら、新規でカードローンに申し込みをしても審査に通過するのは難しいでしょう。
もちろん、完済して解約した借り入れであったとしても、信用情報に記録が残っている限り審査への影響はあります。
「現在の年収を証明する書類」を用意しておく
カードローンの審査においてまず重要なのは「収入の安定性」です。ただし、「限度額(融資額)をいくらにするか?」「他社借入がある状態で融資を受けられるか?」の判断には年収も重要になります。
返済能力をより正確に評価してもらうためにも、最新の収入証明書を用意しておくと良いでしょう。
収入証明書として利用できる書類はカードローン会社によって異なりますが、給与所得者なら源泉徴収票、個人事業主なら確定申告書などが用意しやすいです。
他社借入がある状態での審査では収入証明書の提出を求められるケースも多いので、事前に用意しておくことをおすすめします。
一度に複数のカードローンに申し込まない
カードローンの審査では信用情報を確認されますが、その際に過去半年以内の申込履歴も把握されることになります。
ローンやクレジットカードなどの審査で信用情報が照会されると、その記録が個人の信用情報に記録されます。
これによって過去半年以内のローンやクレジットカードの申込状況を把握することができ、多数の申込履歴は審査落ちの原因になるケースもあるので注意してください。
申込履歴が信用情報に登録されるのは6ヶ月間です。
連続で審査に落ちているなら申込履歴が原因かもしれません。すぐに別のカードローンの審査を受けたり、一度に複数のカードローンに申し込んだりはせずに、少し期間を空けるようにしましょう。
希望する契約限度額を下げる
消費者金融などの貸金業者を利用する場合、総量規制によって原則として年収の1/3を超える借り入れは行えません。また、年収の1/3以内であっても、年収に占める借入金額の割合が大きくなれば、審査に通りづらくなるでしょう。
特に他社借入が2社、3社とあるような状態で、新たに高額な融資を受けるのは難しいです。他社借入がある人は、必要最低限の希望限度額で審査を受けるようにしてください。
他社借入状況をごまかすのはNG!嘘をついてもバレる理由
他社借入がカードローンの審査結果に影響すると聞くと、件数や金額を低く申告してできるだけ経済状況を良く見せたいと考える人もいるかもしれません。しかし、他社借入状況をごまかすことはできないと思ってください。
たとえ嘘をついたとしても審査を行う金融機関は、正確な他社借入状況を把握する手段を持っているため必ずバレます。
「カードローンをはじめとする各種ローン」「クレジットカード」「信販会社を利用した分割払い」などはすべて信用情報機関で情報が管理されているのです。
それらの商品の契約状況、利用状況は各金融機関から信用情報機関へと共有されています。
そして、新たな申し込みがあったときにはそれらの情報を照会するため、申込者がどのような金融商品を契約しているのか、借入残高はいくらあるのかを正確に把握することが可能なのです。
他社借入での嘘は審査落ちの原因になる
他社借入で嘘をついても意味がないどころか、審査落ちの原因にもなるので注意してください。
また、故意に他社借入を低く申告したというケースだけでなく、間違った数字を申告してしまったときも同様です。
他社借入の件数や借入金額で嘘をつく人は信用できない
カードローンの審査では返済できるだけの能力があるかということの他にも、返済する意思があるのか、信頼できる人物なのかが見極められます。
他社借入で嘘をついたと金融機関に思われれば、信用を得ることはできないでしょう。これは他社借入に限った話ではありませんので、申込内容で嘘をつくことは絶対にしてはいけません。
他社借入の状況を把握していない人はお金にルーズ
意図的に他社借入を低く見せたわけではなく、間違った件数、金額を入力してしまったというケースも要注意です。金融機関側では、意図的なものなのか、単純な間違いなのかを判断することはできません。
また、他社借入がいくらあるのか、何社から借りているのかを把握していないと金融機関に思われればお金の管理ができない人、お金にルーズな人と判断されるでしょう。
「申告時の件数・金額と少しでも違えば審査に落ちる」というわけではありませんが、正確な数字については金融機関が信用情報で確認を行います。申告した数字と実際の数字に大きな差があれば、審査落ちの可能性が高まると考えてください。
他社借入は信用情報にいつまで記録が残る?
信用情報機関で管理されている情報には「登録期間」が存在します。一定年数が経過した段階で自動的に古い記録は削除されていくのですが、他社借入に関してはいつまで記録が残るのでしょうか?
実は、信用情報の登録期間は、情報を管理している会社と登録内容によって異なります。
そのため、同じ商品でも早く消える情報があったり、同じ商品なのに会社によって情報が消える時期が違ったりするのです。
ただし、利用中の商品については、「契約期間中はずっと信用情報に記録が残る」という点が共通しています。日本には、株式会社日本信用情報機構(JICC)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)という3社の信用情報機関があります。
会社によって登録期間の起算日などに若干の差がでる場合もありますが、ローンなどの利用・契約情報のだいたいの登録期間は以下の通りです。
信用情報の登録期間
登録内容 | 登録期間 |
---|---|
契約・取引情報 | 契約期間中、および契約終了後5年間 |
申込情報 | 信用情報の確認日から6ヶ月間 |
延滞 | 延滞期間中、および延滞の解消から5年間 |
強制解約 | 契約終了後5年間 |
契約に至らなくても申し込みをしたという記録は6ヶ月間残り、その他の情報については5年間としているケースが多いです。
さらに、延滞については延滞期間中ずっと記録が残るため、他社借入で延滞がある場合には新規のローン審査は難しいでしょう。
すでに解消した問題であれば5年間で記録が消えるケースが多いですが、自己破産など官報という国の機関紙に掲載されるものだと、KSCにおいては10年が登録期間になります。
他社借入に延滞がある方は延滞の解消を優先し、過去に返済トラブルがあった方は自身の信用情報の開示手続きをしてみてください。
どのような情報がいつから記録されているのかが分かるため、逆算すれば記録が消えるまでの年数を求められます。
他社借入が分からないときはどうすれば良い?
現在、どこから、いくら借りているのかが把握できていないという方は、次の2つの方法で正確な金額を調べることができます。
- 借入先で利用状況を照会する
- 信用情報の開示手続きをする
1つ目は借入先で利用状況を照会する方法です。
「契約している会社は分かっている」という人は、各社に電話で問い合わせる、もしくは、会員サイトにログインして利用状況を見てください。
また、借入残高があれば月に1度は返済しているはずです。契約があっても借り入れがなければ他社借入に含めなくても良いため、過去1ヶ月に支払いをした金融機関の利用状況を調べれば他社借入について把握できます。
そして、2つ目の方法が信用情報機関で開示手続きをすることです。前述したように、信用情報機関ではカードローンやクレジットカードの契約状況、利用状況のデータが管理されています。
自身の情報については開示手続きができるため、どこの会社と契約しているか、借入残高がいくらあるのかを調べることが可能です。開示方法には郵送、窓口などもありますが、ネットであればすぐに確認できる信用情報機関もあります。
いずれの方法でも手数料がかかってしまいますが、他社借入だけではなく、返済トラブルが記録されていないかもチェックしたいという人にはおすすめです。
他社借入の件数が1件違ったり、金額が1万円違ったりしただけなら審査結果に大きな影響はありません。
しかし、申告内容と大きく異なる場合には、それが原因で審査に落ちてしまう可能性もあるので、他社借入についてはしっかりと把握してから申し込みましょう。
「そもそも他社借入には何が含まれるの?」という方は、以下の記事も参考にしてください。
カードローンの他社借入件数とは?他社からの借入金額や借入残高の申告について
他社借入があってどうしても審査に通らない場合はどうすれば良い?
他社借入はカードローンの審査に影響しますが、返済能力に問題がなければ審査に通る可能性はあります。
ただし、審査が厳しいといわれるような銀行や信用金庫・労働金庫、信販系カードローンなどは難しいです。他社借入の件数などにもよりますが、まずは大手消費者金融カードローンを検討して、ダメなら中小消費者金融や返済専用のおまとめローンも候補に入れましょう。
もし他社借入が原因でどうしても審査に通らないなら、専門家に債務整理を相談した方が良いケースもあります。
「既存の借入先への返済に遅れが出ている」「完済の目処が立たない」「借りたお金を他社への返済資金に充てている」という場合、多重債務に陥っていると考えられます。
他社借入件数が少なくても、返済の継続が難しいときは、債務整理を検討してください。債務整理であれば返済に遅れが出ていても行え、月々の返済額を減らしたり、借金自体を減額したりできます。
債務整理には「自己破産」「個人再生」「任意整理」といった方法があるぞ。どの方法が適しているかは借り入れや収入の状況によって変わってくるから、法律事務所の無料相談などを利用してみても良いじゃろう。
他社借入がある状態での借り入れに関するよくある質問
他社借入は何件までなら審査に通る?
カードローンなどの審査を受ける場合、他社借入の状況は信用情報によって確認されます。他社借入の件数は審査結果に影響しますが、「~件までなら審査に通る」といったような明確な基準はありません。
カードローンなどの審査では他社借入以外にも複数の項目がチェックされます。返済能力の有無は総合的に判断されるため、他社借入が1件で審査に落ちる人もいれば、他社借入が3件あるのに審査に通る人もいます。
ただし、一般的には「他社借入が3件を超えると審査に通りにくい」といわれています。大手消費者金融カードローンであれば借入診断を受けられるので、診断結果を確認してから申し込むようにしましょう。
他社借入は何件目から中小消費者金融を候補に入れるべき?
中小消費者金融には大手の審査に落ちた人の申し込みも多いです。基本的には「大手よりも中小の方が審査は甘い」といわれていますが、誰でも通るほど中小消費者金融の審査は甘くありません。
大手消費者金融とは審査で重視する部分が異なるだけで、申込者の返済能力はしっかりとチェックされます。
もし中小消費者金融に申し込むなら、他社借入の件数ではなく、大手消費者金融の審査結果で判断すると良いでしょう。
中小消費者金融を候補に入れるのは、大手消費者金融の審査に通らないと分かってからで十分です。大手の方がサービスの利便性は高いため、「どうしても大手消費者金融に通らない……」という場合に中消費者金融を検討してください。
他社借入にショッピングリボや分割払いは含まれる?
カードローンの申し込み時に申告する他社借入の範囲は商品によって異なります。他社借入の項目を入力する際は、申し込みフォームに記載されている指示に従って、正確な金額を入力するようにしましょう。
ただし、クレジットカードのショッピングリボや分割払いなどは申告不要です。申告する必要があるのは借り入れのみで、ショッピングリボなどの後払いのサービスは含まれません。
その一方で、クレジットカードのキャッシング枠については他社借入に含まれます。同じリボ払いでもキャッシング枠とショッピング枠で他社借入に含まれるかが異なる点に注意しましょう。
他社借入があっても審査に通る!借入件数・金額に応じて適切な行動を取ろう
他社借入があるとカードローンの審査に通りにくくなりますが、客観的に見て返済能力を超えていないと判断されれば問題ありません。
そのため、1件、2件の他社借入であれば、審査通過の見込みは十分にあります。利便性を重視するなら大手消費者金融、借り換えを検討中なら銀行カードローンが主な候補になるでしょう。
「年収があまり高くない」「パート・アルバイトなどの非正規雇用である」などで審査に不安を感じている方は、カードローン会社の公式サイトでお試し診断をしておくと安心です。
また、借入件数が3件、4件とある人は新規申込の前に、できるだけ借入件数、残高を減らす努力をしてください。他社借入は信用情報で確認されるため、申し込み時に低く申告しても、その嘘は必ずバレます。
他社借入があっても審査に通らないわけではありません。他社借入の件数や金額に応じて適切な行動を取りましょう。
ファイナンシャルプランナー新井智美氏のコメント
カードローンの審査で重要視されるポイントは、「安定した収入があるか」、「信用情報に問題がないか」、「返済を行うにあたり余裕はあるか」の3つであるといえます。他社からの借入状況をきちんと把握しておくことはもちろん、信用情報についても必ず事前に確認しておくとよいでしょう。信用情報機関へ開示請求を行うには若干の手数料がかかりますが、何もなければ安心しますし、もしなにかしらの事故情報があるのであれば、それを解消するための行動を起こすことが必要です。「利用していないカードローンの解約」や「残高が少ないものから返済していく」など自分ができることから一つ一つ行動し、万全な状態で審査に備えるようにしてください。
※ 貸付条件
アイフルの貸付条件:商号 アイフル株式会社/貸金業登録番号 近畿財務局長(14)第00218号/貸付利率 3.0%~18.0%(実質年率)/遅延損害金 20.0%(実質年率)/利用限度額 800万円以内(要審査)/返済方式 借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式/返済期間・回数 借入直後最長14年6ヶ月(1~151回)/担保・連帯保証人 不要
レイクの貸付条件:商号 新生フィナンシャル株式会社/貸金業登録番号 関東財務局長(10)第01024号 日本貸金業協会会員第000003号/貸付利率(実質年率)4.5%~18.0%(※貸付利率はご契約額およびご利用残高に応じて異なります。)/遅延損害金(年率)20.0%/返済方式 残高スライドリボルビング方式、元利定額リボルビング方式/返済期間、回数 最長5年、最大60回(※融資枠の範囲内での追加借入や繰上返済により、返済期間・回数はお借入れ及び返済計画に応じて変動します。)/担保・保証人不要